会田誠 (再び) [Artist]
偶然YouTubeで見つけた動画ですが、イギリスのバンクシーなどとともに会田誠を紹介してたので、
なぜか 本日は会田誠で。
会田誠の日本現代美術界への功績は実は大きいのです。
村上隆のほうがもちろん知名度はありますが、それでも森美術館での回顧展で一躍有名になったと思われます。
http://ayanamirei.blog.so-net.ne.jp/2013-02-08
森美術館での展覧会では、一部団体からの講義でも話題になりましたし、私の考えも以前このブログに書いたとおりです。
そして、観覧注意の部屋に展示されていたこの作品はやはりすごかったですよ。
たぶん、このような作品というのはいろいろな偶然が重なったときに生まれる奇跡なんだと思います。
もう一度、作家にこれを描けと言っても難しいと思います。
昔はこういいのもやってましたね。
サイ・トゥオンブリー [Exhibition]
品川の原美術館で5月からサイ・トゥオンブリーの展覧会が開催されるようです。
プレスリリースも出てますので、ご覧ください。
ということで、今回は サイ・トゥオンブリーについて。
サイ・トゥオンブリーは1950年代、ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズらとともに活動をはじめた作家です。
サイ・トゥオンブリーの絵画は常に「子供の落書き」のようなと形容されるほど、自由でほんとうに素人のように見えます。
ですが、トゥオンブリーは友人のラウシェンバーグの勧めで1951年、ノースカロライナ州のブラック・マウンテン・カレッジの夏季講習に参加し、ラウシェンバーグをはじめフランツ・クライン、ベン・シャーン、ロバート・マザウェルらの指導を受けてます。
残念ながら2011年83歳で亡くなってますが、彼の作品はニューヨークあたりでは、ものすごく人気がります。
しかし、ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズらがデビューしてからずっとスターだったのと比べると、トゥオンブリーはアメリカ美術の主流の埒外に置かれていました。
理由は、美術界は抽象表現主義からポップ・アートへと主流が移行する中で、彼の作品の文学性、物語性は時代に逆行するものとして無視されていました。
評価が高まったのは、やっと1980年代に入ってからです。
制作以外のときはリルケなどの詩を読んだり、庭いじりをして過ごすという孤高を好む私生活が一種の神話となり、彼の絵画世界は高踏的で難解になってきました。
トゥオンブリーの即興性に富む「落書き」は、絵画がもつ原理的な次元で人間の感覚や想像力や思考のモデルとして再評価されたのです。
トゥオンブリーについては、美術史家、美術批評家の林 道郎(はやし みちお、1959年7月20日 - )氏の
Cy Twombly サイ・トゥオンブリ 絵画は二度死ぬ、あるいは死なない
という著書が有名です。
機会があったら是非読んでください。
アート界も当然のように流行というものがあります。そのときに不遇な状況におかれても自分の信じる活動をしていれば時代は一巡りして追いついてくるのですね。
ちなみに2014年はクリスティーズサイ・トゥオンブリー『無題』という黒板の作品が6960万ドル(約83億円)で落札されました。
本当、落書きに見えますよね。
でも、実物の作品を生で見てください。
きっと違った見え方がしてきますよ。