著作権 [ essay]
展覧会情報や感想をブログで紹介しようと思ってるのですが、一つ問題が。
やはり、詳細に読者の皆様に臨場感をお伝えするには、会場の写真、もしくは作品画像が必要です。
文章だけですと、展覧会を見てる人には多少つたわるかもしれませんが、これからと思ってる人たちには説明仕切れない。
でも、展覧会場の写真撮影が日本では出来ない。
じゃ展覧会カタログを買ってそこから写真撮るか?
それとも、よそのサイトの写真を勝手にひっぱてくるか?
厳密には全て、著作権法にひっかかる。
没後50年以上の作家の絵画であれば大丈夫ですが、それじゃ現代美術は全滅、使用できません。
ある、サイトではクレジットの記載付きで仕様を許可してる作品もありますが、ぜんぜん数が少ない。
営利目的ではない、個人のブログでも厳密には同様なのですが、それってどうなんでしょう?
今後ますます、インターネットの発達で同様の問題が発生することでしょうが、法律も時代とともに変わっていきますので。
横須賀美術館 [Exhibition]
先日、NHKの新日曜美術館で紹介していた横須賀美術館
開館記念の「生きる」展を見に観音崎まで行って参りました。
http://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/kikaku/03.html
「生きる」を問う展覧会ということです。
もちろんどんな作品も「生きる」ということと関係のない作品はあり得ないと、カタログの前書きにも書いてるとおり作品を作るということは「生きる」ことそのものなんですが。
モデルの手術跡や病気の後遺症などを接写した石内都の写真は、ダイレクトに生きる意味を問うてました。
また、石田尚志の映像作品は、少しづつ書き足したドローイングを一こまづつ撮影して、映像作品にしており、大変な根気の居る作業です。
舟越桂の作品は以前から知ってましたが、今日見た彫刻はリアリティを特に感じました。木彫で彫り込まれた肌の質感、存在感に圧倒されました。
ヤノベケンジの「トらやん」はガイガーカウンターを装備した黄色のスーツを身につけて、作家のトレードマークとも言える黄色のスーツと新たなキャラクターで独自の世界を作っていました。現代を生き延びるにはユーモラスという鎧を纏わなくてはならないのかという皮肉も込められてるようにも思われます。
常設展も同時に見られますが、日本の近代美術の作家達も見応えがありました。
特に「安井曾太郎」の作品が良くて驚きです。
7/16まで開催です。ロケーションもよくまた、新たなお好みの美術館が増えました。
今後の展覧会にも期待します。
ロバート ロンゴ [Artist]
黒いスーツを着た男がのけぞって空中をさまよっているシーン。
白と黒で等身大くらいに写真のように描かれたドローイング。
とても都会的な印象を与えながらも、都市に暮らす我々の不安や恐怖を感じる作品。
1980年初頭、突然現れたこの作家は、日本でも紹介されているので可成り有名です。
青山のスパイラルホールでは大規模な展覧会も催され、ファンになった人も多いかと思います。
モデルは当時の恋人や画商などの身近な人たちということです。ロンゴは彼らをビルの屋上に連れて行き、テニスボールや石などを投げつけて苦悶する様子を撮影したそうです。そして、この写真をスライドプロジェクターで投影して、木炭や黒鉛でドローイングしてます。絵にするときには、よりインパクトのある表現にするため、上半身と下半身では別の写真を用いたり、髪やネクタイを激しく振り乱したりしました。ネクタイは時に首吊りしているように見えることさえあります。
しかし、こんな一瞬の動きを用いて不安や恐怖を表現するなんて、目の付け所がいいですよね。誰でもかけそうな手法を用いて、インパクトのある表現をする。
これ以降、ロンゴは様々な大作を作って行くわけですが、87年メトロピクチャーギャラリーの個展は凄かった。
最近ではその作品を見る機会もなくなってしまいましたが、どこかで見られるのならすぐにとんで行くんですが・・・