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会田誠「美術であろうとなかろうと」 [Exhibition]

美術(芸術、アート、contemporary art)とは何か----このような問いを前提に作られるものは、すべて近い将来滅びる運命にあるだろう。美術であろうがなかろうが、作りたいものを作る/作るべきものを作る/生きたいように生き、その痕跡として何かが残る――そのようなものしか後世には残らないだろう。悪いが今や美学者たちは、その忠言を聞くことが命取りになるウィッチドクターだ。このような僕の日常的な確信の一環としてこの展示はある。
-会田 誠

会田さんらしいコンセプトをぶちかまして、トーキョーワンダーサイト本郷で開催中の展覧会。
彼が現在、精力的に展開しているプロジェクト「MONUMENT FOR NOTHING」と若手アーティストの展示です。

まるで学生の作品のような自由奔放な作品が展示されてる1階を見て、ちょっと期待はずれかなと思いながらメインの「MONUMENT FOR NOTHING」へ。
IMG_0322.jpg

有志を募って段ボールの作品を作っていくのですが、現在はまだ制作途中ですからなんとも猥雑な感じですが。これが完成されれば会田氏のイメージ通りの荘厳な作品群になるのか?
IMG_0323.jpg

現場に配布用のコンセプトシートがあった。
それは会田氏の思い、怒り?焦りなどが読み取れるシートでした。
彼はこのプロジェクトを完成するためなのでしょうか、段ボールの作品群を千年残すために自腹で倉庫を借りる覚悟です。
また今のアート界の現状。たとえば多少売り絵的な商業ベースのアート界に対する不満なども感じられます。またその不満が、プロっぽく見えない作品群を生み出してるのかもしれませんが。

やたら「こんな時代だから」というワードがこのコンセプトシートでは目立ちますが、答えが出るのは100年から200年先の人たちの判断になると思いますので、我々には何も言えませ。
でも、結局は覚悟の問題なのでしょうね。
会田は会田のやり方で、村上は村上のやり方で、奈良は奈良のやり方で、大竹は大竹のやり方で地道にやっていくしかないのです。

この展覧会は主催者側が思うほど話題にはならない気がしますし、決して面白いものではありませんが、公益財団法人だからこそ企画できる希少な展覧会であることは確かなようです。



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清川あさみ [Exhibition]

いや〜、私全然知らなかったんです。清川あさみ。

本日から水戸芸術館で開催の「清川あさみ」展
http://arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=99

以前美術手帖だかで見かけたのでその作品(写真?)は知っていたのですが、これって糸やビーズなどを使って刺繍を写真に施した作品だったんですね。

ドライブを兼ねていつものように水戸まで行ったのですが、とにかく女の子の多いこと。
結構広告の仕事や、本の表紙などにも使われてたんですね。しかも本人美人ですから、こりゃ人気ありますよね。知らないのは私だけだったんだ・・
DSC_0692.jpg
前置きはこの辺で、実際の作品を見た感想を。

第1室:美女採集
写真に刺繍を施すという、表現方法としてはありふれたやりかたでも独特の世界観が表現されてました。しかも有名人を使ってますからこれは人気出ますよ。ウォーホールばりに有名タレントを使用しそのイメージを手頃なサイズの作品に。日本の狭い住宅事情にもフィットする、ファンなら欲しくなる一品です。
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第2室:AKB48×美女採集
ジョゼフ・コーネルのようにBOXに閉じ込められたAKB48。展示室の照明を落とし、箱の中はLEDで照らし出され幻想的な世界。コーネルの標本箱ではなくAKBの標本箱。
作品作りの考え方が商業的で、どうやったらファンの心をつかむかを考えられたような作品。
でもこっれってアリ!
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第3室:Complex/DreamTime
これだ!
以前美術手帖で見たときは写真だとばかり思っていたのですが、実物の作品を拝見して驚きました。
ある程度の大きさも表現の強さに繋がっているのですが、いわゆる内面から醸し出される作品としての強さ!
女性の秘められた欲望やコンプレックスを表現したシリーズということですが、女性ならではの感性や見方が見事に表現されていると思います。男には無理です。
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しかし、女性ってのはどうしてこんなにも気持ち悪い発想が出来るんでしょうか?
どうしてこんなにも気持ち悪い皮膚にしようと思うのか?
女性にとって肌は日頃から手入れの欠かせない身近のもの。こういう表現の仕方もありかと一本とられた感じです。
これはアートとして十分な表現を持つ作品だと認めざるをえません。
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第4室:triangle
間に合わせの作品は見たくありません。この部屋はない方が良かった(汗)

第5室:もう一つの場所・4つの場所
絶滅種・絶滅危惧種をテーマにした小品群。
アンリー・ルソーの絵に出てくるような亜熱帯の風景や不思議な植物を背景に絶滅危惧種をテーマに作家が挑んでるのですが、すでに絵本として発売されているものの原画になります。
いかにも日本人好みの作品であり、絵本の原画以上には、私には思えない。

第6室:HAZY DREAM
作品の説明がないので、正確なことはわからないのですが、都市の風景を焼き付けた写真プリントに刺繍の作品。
その大きさや手法から見て初期の作品じゃないかとおもわれる。
逆にこの素直な表現はある意味力つよい。
もしこれが学生時代に制作されたものであるなら、やはり才能あると言うしかないし、今後の成長が楽しみだ。
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第7室・cell garden
この展覧会のために制作した大作。
この部屋で15:30からアーティスト・トークがあるというので、2時間くらい時間をつぶして参加してみました。そのときの話ではこの大作は一日で制作したらしい。

ゲストは辛酸なめ子。トークショーの内容自体はくだらなかったが、芸能人の作品を作るときには本人には会わずに、ユーチューブなどを20分ほど見た印象で創るらしい。
今が旬の芦田愛菜についてのコメントで、ここのところの2ヶ月の変わりようで「ただ可愛いだけだと思っていたが違った」と。確かにここのところ急に変化が。怖さが見えるようになってきた。この急激な変化は周りの大人達のせいなのか、本人のせいなのか?
いずれにしても人気を維持し続けることの難しさを感じてします。

第8室:少女の夢
今の表現のきっかっけを作った作品だとおもう。
たぶん彼女清川あさみにとってはもっとも大事な作品なんだろう。
小さな作品で、決して力強い作品ではないし、見過ごされてしまいそうな作品であるが、清川の原点を感じる。


いずれにしても、これがアートなのか?イラストなのか?デザインなのか?
判断が難しいところであるが、その答えは会場を出たところにおいてあったちらしにあった。
http://www.tokyo-ws.org/hongo/
会田誠・「美術であろうとなかろうと」
トーキョーワンダーサイト本郷 11/5から

アートでも何でもかまわない。
芸術とはアーティストの生き方そのものである。






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