大竹伸朗 ポ・・・・・アイデア ポスター全集 [BOOK]
07年7月30日発行の本を買ってしまった。
以前から気になっていたのですが、ついに・・・4935円。
雑誌「アイディア」に7年に渡って連載していたポスターを集めて掲載した作品集だ。
ネタ元も掲載しており、大竹の自由奔放な考えがより際だっている。
臆面もなく色々なモノをまねたり、持ってきたりすることで批判的な意見が美術界には多いのですが、私はこの本を見ていて、デザイナー時代の横尾忠則の才能と同種のモノを感じた。
まるで、デザインをするように、インスパイアされたモノを持ってきて、くっつけて、独自の世界を作っている。
スクラップ&ビルド・・・そこに表現される大竹だけの感性を見る人が感じるか、感じないかが勝負なんだと思う。
仮にコレがデザインだとしてもかまわない。誰かの物まねと言われても構わない。
大事なことはそんなことではなく、そこから奏でられる響きに共鳴出来るか、出来ないか。
まるで、楽曲を作るような方法で生み出されるその作品は、アートでも、デザインでも何でも構わない。
でも、コレこそがまさにアートなのではないか?
デュシャンが呈示した「便器」。コレと同じ意味なのではないか?
たぶん、そういう風に見ないと大竹の作品は理解出来ない。というか、なにも考えずに感じればいいのではないか?
あれだけ多くのファンを持ちながら、美術界では抹殺されてきた理由はそこにあるのではないか?
椹木野衣などの一部の評論家にしか理解されなくても仕方ないのかも。
どうせ、巷にあふれている美術評論家にはアートが理解できないから。
そう考えると、とんでもないことを彼はやってるようです。
なんの先入観も持たずに大竹の作品をみて、面白いと思わない人には何を言っても無駄だと思いますが。
最後にこの本、価格以上の価値はあります。
私はとても得しました。
ひびのこずえの品品 [Exhibition]
「ひびのこずえの品品」展を見に行ってきました。
お盆の休み中は、クルマの渋滞が嫌で遠出を避けておりましたが、そろそろストレスがたまって来てますので、水戸まで軽く走りに・・・
ということで水戸芸術館で昨日から開催されている個の展覧会
http://www.arttowermito.or.jp/kodue/koduej.html
コスチューム・アーティストとして20年のキャリアをもつ ひびのこずえ
名前はもちろん知っておりましたが、作品に関しては興味も持っておりませんでした。
いつかは「家」を手がけたいという彼女。その第一歩として家具を手がけました。
ひびのこずえの家具の着想は「生活者として、主婦として、欲しいもの」と明快です。一般のデザイナーの場合と異なりこうした家具が生活にあればいいという現実的なイメージらしく、自由に発想してスケッチをもとに、製造メーカーと打ち合わせて実寸図面を起こしていきます。
最初の展示室には15台のハンガーラックが。直径19ミリのスチームフレームで作られた「コンテナワゴン」にはキャスターがついており、使わないときには畳んでしまえる構造になっており、移動も自由です。
でもどうなんでしょう??
ひびのこずえというキャラクターの作品としての価値しか感じられませんでした。
価格的にも安くないし・・・
決して欲しいくなるような家具ではありませんでした。
が、しかしコスチュームの方はなかなか良いです。
特に第1室の あるヘアメイク詩のために手がけた15着のコスチューム。
衣装デザイナーとしての彼女はやはり凄いです。コスチューム自体の販売もしておりましたが、大体13万円くらいで、コレなら作品としてお金を払う価値があります。もちろん実用的な衣装としては機能しませんが、作品としてのインパクトがあります。
残念ながら家具の方はその域までは至ってないようです。
これからの作品に期待します。
ただ、改めてコスチューム・アーティストとしての彼女を再認識出来たことは良かったです。
スケッチもなかなかのものです。
金乃比羅宮 書院の美 [Exhibition]
東京芸術大学大学美術館に行って参りました。
目的は円山応挙、伊藤若冲、岸岱の襖絵です。
http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/current_exhibitions_ja.htm
香川県の金乃比羅宮の表書院、裏書院の襖絵約130点です。
ただ絵を並べるだけでなく、実物と同様の配置になるように、それぞれの部屋を作っての展示が素晴らしく、視点も立ってみる人にあわせてあげてありました。
チケットにもなっている応挙の「遊虎図」の虎は圧巻でしたが、伊藤若冲は「花丸図」の一点のみ。
しかも半分は複製。
でもたった1点でも本物は迫力ありました。
今なら伊藤若冲があれば展覧会は成功するんですね。