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1Q84 [BOOK]

発表時から話題になっていた本。
2年も遅れて、月曜日買いました。

「1Q84」いつもの村上ワールド全開で嵌っています。
おかげで移動時間プラスアルファをエンジョイしています。
主人公の青豆と天呉の接点が見えてきた段階ですが、サスペンスのような物語の展開や準備周到に用意された物語の構成が、まるで交響曲のように織りなされる様を楽しんでおります。

昨日、続きの2巻を買うついでに、芥川賞を獲った「苦役列車」西村賢太も前から気になったので買って一気に読みました。
こちらは、何言っていいのか、私小説もろ出し。読んでいて凄く嫌な気分になりました。
最近の芥川賞はこのレベルなのかと思い、出版界も厳しい不況のなかで、どんなことでも話題になるのならという販促的な戦略が絡んでの受賞なのかと思ってしみました。
が、読み終わったあと、就寝につくわけですが、ついこの小説のこと考え、嫌な感情だけではない違うものも芽生えてることに気がつきました。

芥川賞作家としては、かつての村上龍や綿谷りさなどの作品は、当時の時代感覚を先取りした、また手法的にも新しいタイプの作品として評価してるのですが、この「苦役列車」にはそれがない。文体も今風でなく読みにくいし、決して新しさはないのですが、下層社会というまさに今現在の問題を捉えているということでは芥川賞に値するのか?
しかもこの主人公の置かれた格差っていうのは、結構根の深い問題をはらんでいるようですし・・

それでも私は、村上のような「うまさ」をおもしろがっているのですが。

ちなみに、村上が芥川賞を獲れなかったいきさつなどがこのサイトにありますので興味のある方はご参考に。
http://www.tokyo-kurenaidan.com/haruki-akutagawa1.htm
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セゾン現代美術館 [Gallery]

週末ドライブを兼ねて軽井沢にあるセゾン現代美術館へ行ってきました。

若い方はご存じないと思いますが、この美術館はもとは池袋の西武デパートにあった西武美術館です。
1975年開館の西武美術館では、当時流通業界で勢いのあった西武グループが現代美術に特化した展覧会ばかりが催され、百貨店の展覧会レベルにはとどまらない公立美術館以上の画期的な展覧会が催されていました。

何しろ、当時現代美術を見たいなら西武美術館へ行けというほど勢いでしたから。

堤清二代表の意向を強く反映したこの試みは、百貨店の宣伝的機能をはるかに超え、利益を度外視したいわゆるメセナ活動でした。それが理由か、バブル崩壊後の経済状況に持ちこたえられず、1999年閉館。
当時の収蔵作品は全部この軽井沢にあるわけです。

とりわけ、1993年のアンゼルム・キーファー展で集まった作品は圧巻で、当時は美術手帖でしか見ることの出来なかったキーファーの実物を前に感動したのを覚えてます。

そのキーファーの何点かはこのセゾン現代美術館にありますが、さすがに時代を感じます。今では古典にしか見えません。一点づつの作品は素晴らしいのですが、美術館全体としては真新しい作品もなく、特に2000年以降の作品は皆無と思われますが。昔の財産でかろうじて企画展を開催してるという印象です。
見ていて何か悲しく、時代に取り残されてしまった感じです。
あれだけ勢いがあった当時の西武を知ってるだけに非常に悲しいです。

それに、この美術館は日本人作家で特定の作家をえらく気に入ってるようで、歴史的には重要でない作家の作品も数多く扱っており、そんなところが余計に時代を感じさせてしまいます。
80年代バブルの日本の現代美術を検証するという意味では、大ずれてみる意義もあるでしょう。
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