SSブログ
RSS Feed Widget
livedoor Readerに追加
My Yahoo!に追加
Googleに追加

ヘレン・シャルフベック [Exhibition]

フィンランドを生きた女性画家の軌跡

神奈川近代美術館 葉山にて開催中の「ヘレン・シャルフベック」展を見てきました。
P1060009.JPG

神奈川近代美術館 鎌倉の閉館に併せて鎌倉の展示を観てこの展覧会の開催を知ったので急遽葉山へいくことにしました。

JR鎌倉駅から電車でひと駅、逗子駅でおりて、そこからバスに揺られてこの葉山館へいくのですが、連休ということもあり道路は渋滞、バスで30分程もかかってやっと到着した美術館は、かなり立派外観とお洒落なレストランのある、海に面した美術館です。


この「ヘレン・シャルフベック」展は東京芸大大学美術館からの巡回展で、芸大の展示を見逃してしまった私にとっては最後のチャンスと思い、わざわざ葉山まで来ました。


フィンランドを代表する女性画家ヘレン・シャルフベックは、3歳のときに事故で足が不自由になりますが、11歳のときに絵画の才能を見出されます。


11歳の彼女の描いたデッサン(素描)は当時活躍していた画家アドルフ・フォン・ベッカーに認められ、ヘレンは無償で素描学校に通うこととなります。


18.JPG
18歳で描いた絵がこちらです。
中央の兵士が負傷したことに打ちひしがれ、茫然としている様子が生々しく表情に、その虚ろな目に描かれています。

卓越した表現力と、テーマ設定。
18歳にしてこれだけの力量を持った女性がもし自分の近くにいたら、本当に脅威だと思いながら作品を観ていました。

ただ、この女性画家はこの卓越した才能を自分自身を見つめるためだけに使うようです。

作品は何度も買い上げなどもされ名声を得ていくのですが、テーマは一貫して自身の感心のあるものに限られているようです。

21歳で一方的に婚約を破棄され、失意のどん底から回復後は、過去の巨匠たちの作品を模写しながら独自のスタイルを模索し、またその時その時のアート・シーンの最新情報を取り入れて、作品を制作していました。
hgdtd.JPG
世間的にも評価され画家としての活躍も期待されていましたが、50歳にして19歳年下の男性に2度めの失恋。2ヶ月間の通院。
その後は生涯自画像を描きつづけ、シャルフベックが感心を持つ技法が試され数々の自画像が制作される。
llkj.JPG
kjbhyft.JPG
jiiiij.JPG

ヘレン・シャルフベックにとっての幸せとはなんだったのだろう?

もちろん女性ですし好きな男性と一緒にいられることを一番に長ったのであろうが、その願いが叶わぬからこそこれだけの傑作を生み出せたともいえるし。

自画像の作品でこれだけ見るものに訴えかけてくるとは・・・。
まさに魂のまなざし。ヘレン・シャルフベックが生涯見つめ続けた人間の悲しさなのか・・。



展覧会観賞のあと葉山の海の夕日が綺麗だった・・・。
P1060025.JPG

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

川村美術館 [Gallery]

車のオイル交換のついでに川村美術館に久しぶりに行ってきました。
DSC_0213.JPG
去年の5月から長期で開催されている展覧会ですが、1/11までなので一応見てきました。

というのは、基本的に常設で見ることの出来る所蔵作品を11に部屋に分けて展示した展覧会だから、どうしても行きたいと思わずにこんな時期になってしまいました。
ですので、川村美術館事態の紹介も兼ねて記事を書こうかなと思っています。

車でいつも行っているので、電車等でいかれる方は他にも川村美術館を紹介しているブログもたくさんありますので、そちらを見てもらえればわかりやすいです。

東関東道の佐倉インターを降りると、左に曲がり、すぐに右折。
国道51号線をそのまま真っすぐ走って坂戸で右折するとすぐに川村美術館です。
無料駐車場が300台もあるので、駐車場の心配はしなくて大丈夫です。

DSC_0217.JPG
ここは、DIC株式会社(大日本インキ)の研究所の敷地内に有ります。
広大な敷地内には自然散策路などもあり一部を一般開放してますので、美術館ではなく散策に訪れる方も多いです。
特に桜の季節は良いですよ。


入り口を入った瞬間自然にあふれた光景に心を現れるようです。
程なく美術館の建物が見えてきますが、屋外にもたくさんの彫刻作品があります。
入り口近くに中林忠良の彫刻が。
DSC_0215.JPG

美術館の入り口には、リニューアルオープンした時にフランク・ステラの回顧展をしたのですが、その時に製作された巨大な作品があります。
もちろん永久展示です。
DSC_0219.JPG

展覧会事態は、最初の部屋に印象派などの近代の作品が。
次の部屋に唯一400年も前のレンブラントの作品が展示されてます。

美術館内はもちろん写真撮影禁止なので、ご紹介できませんがここには世界でテイト・モダンと川村美術館だけのロスコルームがあります。
マーク・ロスコのシーグラム壁画がすべてそろっています。
rosuko.JPG
DIC川村記念美術館106展示室 撮影:小川重雄

DIC川村記念美術館が所蔵するマーク・ロスコ(1903-1970)の作品群は〈シーグラム壁画〉と呼ばれるシリーズのうちの7点で、もともと一室に飾られるためのものでした。その誕生は、1958年春、50代半ばにして大家と認められたロスコが、マンハッタンに新しくできるシーグラム・ビル内のレストラン「フォー・シーズンズ」のために、作品制作の依頼を受けたことをきっかけにしています。最高級の料理と優れた現代アートをともに提供するというコンセプトのもと、ロスコも作家のひとりに選ばれ、レストランの一室の装飾を任せられたのです。当時のロスコは、グループ展などで他人の作品と同じ部屋に作品が並ぶことを嫌い、自分の絵だけでひとつの空間を創り上げたいと切望していました。そこで、およそ一年半を費やし、30点の絵画を完成させたのです。 それら〈シーグラム壁画〉は、雲のように茫洋と広がる色面が内に孕んだ光を静かに放つロスコの代表的な絵画とはいくつかの点で異なっています。まず、全体の半数以上が横長の画面で、多くは横幅が4.5メートルに及ぶものとなっています。これまでにない大作となったのは、ロスコがこれらを「絵」ではなく「壁画」と考えたからであり、紙に残されたスケッチからは、複数の作品を間隙を空けずに連続して展示し、まさに壁全体を作品にするような構想があったこともわかっています。また、雲のような色面は姿を消し、代わりに深い赤茶色の地に表れたのは、赤、黒、明るいオレンジのいずれかで描かれた窓枠のような形でした。とはいえ、それは現実の窓ではなく、いわば概念としての「窓」?赤い広がりとなった彼岸への窓あるいは扉といえるものです。そしてそれは閉じたまま、あちら側の世界とこちら側の世界の境界を示すのみで、あちらへ踏み入ろうとする私たちの意志を拒むように見えます。あるいは、乾いた血を思わせる色合いや、薄く何層にも塗り重ねられた独特の絵肌におどろおどろしさを感じる人もいるでしょう。ところが、しばらくこの壁画群に囲まれていると、まるで自分の意識が赤く染まるよう感覚を覚え、やがては深い内省をうながされるのです。 ロスコが新境地を開いた〈シーグラム壁画〉ですが、完成後にレストランに飾られることはありませんでした。一足早くオープンした店を訪れたロスコがその雰囲気に幻滅し、契約を破棄してしまったからです。しかし、一度は行き場をなくした絵画群も、1970年にロンドンのテイト・ギャラリー(現テイト・モダン)にうち9点が寄贈され、1990年には7点がDIC川村記念美術館に収蔵されることとなりました。以降、このふたつの美術館ではそれぞれの〈シーグラム壁画〉のために一部屋を設け、常時公開しています。そのほか、アメリカ、ワシントンDCのフィリップス・コレクションにあるロスコ・ルーム、ヒューストンのロスコ・チャペルを含め、ロスコの作品のみで出来上がった空間は、世界にたった4カ所となっています。




今回圧巻だったのは、いつもなら二階の大きな部屋を仕切ってアメリカ現代美術を展示しているのですが、その壁を取り払ってフランク・ステラの作品だけを年代順に13点展示した部屋です。
stera.JPG

今も現役で制作しているステラの初期からの作品を一望できるので、その作品の変遷を御覧ください。
ただし最近はどういう作品を作っているのか、あまり情報が入ってきませんが。

2014.JPG
2014年、英国ロイヤル・アカデミー中庭で展示された巨大な彫刻。

既成概念を大胆に覆し、新しい絵画空間の創造を試みようと変貌を続けるア?ティスト、フランク・ステラ(1936-)。そのコレクションは、DIC川村記念美術館の見どころのひとつです。 アメリカ、ボストン郊外に生まれ、名門プリンストン大学で美術を学んだステラが、ニューヨークで作家活動を始めた翌年、23歳のときに手がけたのが《トムリンソン・コート・パーク(第2ヴァージョン)》です。商業用の黒いエナメル塗料とペンキ用の刷毛を用いて、大画面にストライプを繰り返した作品は、非常に限られた要素で構成された抽象美術=ミニマル・アートの先駆と見なされています。黒一色の寡黙な画面は、そこから何かを読み取ろうとする私たちの意志を拒み、難解な印象を抱かせますが、ステラはそうした人々の見方を牽制するかのように、次の言葉を残しました。「あなたは、そこに見えるものを見ているのです」。TVやコンピュータの映像に見入るように、現実には"そこに存在しないもの"の姿があると思い込むのをやめ、目の前にある絵画の存在をそのまま受け入れるのが、この絵の見方なのです。 《トムリンソン・コート・パーク(第2ヴァージョン)》 1959年 エナメル、カンヴァス 213.4 x 276.9cm [コピーライト] Frank Stella/ARS, New York/SPDA, Tokyo, 2007 《トムリンソン・コート・パーク》を手がけた翌年、ステラは、矩形のカンヴァスという絵画の定式すら捨ててしまいます。眼鏡のような形の《ヒラクラ III》は、半円形のユニットを組み合わせた〈分度器シリーズ〉のうちの1点。まさしく角度の目盛がついた分度器のように、半円の中心から外に向かって放射線状に色分けされています。こうした形は、ステラが描こうとするイメージと作品の外形を完全に一致させようとした結果生まれたものであり、最初に四角い画面が与えられて、その中に対象を描くのとは全く逆のアプローチがとられています。ここにもまた、絵画は、何かを映し出すスクリーンではなく、ひとつの物体であるとするステラの考えが反映されているのです。また、単色で描かれた《トムリンソン・コート・パーク》と異なり、蛍光塗料を含む多色づかいは私たちの視覚を刺激し、平面でありながら躍動感ある絵画空間が実現されています。 ステラの挑戦はなおも続き、1971年からは段ボールやフェルト、75年以降はアルミニウム板を素材に採り入れ、数多くのパーツを組み合わせて作品の立体化を進めました。また86年から開始されたステラ最大のシリーズ、メルヴィルの小説『白鯨』の章名を作品に冠した〈白鯨シリーズ〉では、マケット(模型)の各パーツを拡大し、アルミニウムやマグネシウムなどの金属で鋳造して組み合わせた大型作品が次々に登場します。なかでも《メリー・クリスマス 3X(第3ヴァージョン)》は、まるで巨大な飛び出す絵本のように、壁から1.5m以上も突き出て圧倒的な存在感を放ちながら、私たちのいる空間に浸食してくるのです。



毎日2時から無料のガイドツアーも開催されています。為になりますよ。

残念ながらこの展覧会は11日(月)で終了してしまいますが、次の展覧会もお楽しみに。
http://kawamura-museum.dic.co.jp/
DSC_0223.JPG
タグ:川村美術館
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

オリバー・ラリック 個展「TF」 [Exhibition]

「ポスト・インターネット」世代のアーティストとしての現代的なセンスを備えながら歴史的な視覚文化を射程に置いた彼の作品は、欧米を中心に高い評価を得ているということです。

名前すら知らなかったアーティストですが、なんか面白そうです。

久しぶりにカイカイキキ行ってみましょうかね。

olba.JPG

オリバー・ラリック個展「TF」 開催日時/2015年12月18日(金)〜2016年1月23日(土) 開催場所/Kaikai Kiki Gallery 東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1 開催時間/11:00-19:00 休廊日/日月祝 ・年末年始の閉廊日についてはHPにて確認を http://www.kaikaikiki.co.jp




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。