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Exit Through The Gift Shop バンクシー [Artist]

「Exit Through The Gift Shop」というタイトルの映画を観た。
これは、あのストリートアートのカリスマ、バンクシーの監督作品なんです。

そのバンクシーが今ほどアート界で知られていない時期から、制作風景の撮影を許可されたあるフランス人のあるカメラオタクの物語です。
彼の名はMBW (ミスター・ブレインウォッシュ)。フランス人の彼は一時もカメラ(ビデオ)を手放せない病気のような性格で、本業は古着屋さんをやっていて商売は順調だったようです。
はじめは家族や友人など身の回りの生活を撮影していたのが、ストリートアートと出会って、そのスリルと興奮にすっかりのめり込んでいったようで、最終的にはバンクシーに出会い、唯一バンクシーの制作現場を撮影を許されるようになったんです。
ですから、ストリート・アーティストの作品や作業工程などを撮影していくなかで、すべてを知ってるわけですね。

非合法のストリート・アートはその性質ゆえ作品は消されてしまう運命にあるので、ある時、バンクシーは「じゃあ映像で残しておくのも悪くないかも」と思い、このフランス人に撮りためたビデオを編集して映画にして欲しいと頼みますんだところ、出来上がった映画は、カメラオタクのつぎはぎショットが延々90分。(90分の映像の短縮版がどうDVDに収められています)
さすがのバンクシーもこの映画には呆れ、「映像はもういいから君もアートをやったら?」と勧めたところとんでもない方向に事態が進展して・・・。


バンクシーをはじめ、ストリートアーティストたちには、必ずがそれぞれが持つ信念や伝えたいメッセージが存在しています。アートは目的ではなく手段に過ぎないからこそ、ストリート・アートという非合法的なアートが、社会に認められ、アートマーケットでも売買されているわけなんです。

ところが、このフランス人MBW (ミスター・ブレインウォッシュ)は、そんなメッセージなど無い。ただバンクシーに薦められて、その気になって、力技でショーを開催して成功してしまうんです。
作品は今ままで見てきたストリート。アーティストたちのパクリ。当然ですが作品制作はたくさんのスタッフを雇って作らせ、バンクシーと近しい自分の立場を利用して宣伝し、メディアまでその気にさせて一気にのし上がってしまう。
その過程が見事に映画の中で表現されており、見ていて爽快です。


結局バンクシーが伝えたかったことは、こんな中身の薄っぺらな作品でもメディアが取り上げればアートとして成立してしまうアート界に継承を鳴らしたかったのか?それともそこも含めてアートなのかは判断できませんが、アートとはなんぞや?と考えさせられる作品になっています。

この映画に度々ゲストとして登場するダミアン・ハーストも含めバンクシーもアートを通して伝えたいメッセージをしっかり持っているだけに、MBW (ミスター・ブレインウォッシュ)は多分理解の外に居るのでしょうが、いずれ時間が彼の真価を評価してくれると思います。


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Mr. Brainwash(MBW)ミスターブレインウォッシュ 映画監督から転身した異色のフランス人アーティストで現在はLAを拠点に活動中。 アンディ・ウォーホルを筆頭に、マルセル・デュシャン、ジャクソン・ポロック、ロバート・インディアナの巨匠から、バンクシー、ダミアン・ハースト、シェパード・フェアリー、レニー・ギャグノンら現在活躍中のアーティストまで、彼らの作品の良いところを上手く取り込んだポップな作風にファンが急増。2008年秋頃から落ち着きを見せ始めたグラフィティアート・シーンの中でも出す作品すべてが即 “SOLD OUT” になる数少ないアーティストです。 日本にはMBWの情報がほとんど入ってきていないため、グラフィティアートのコアなファンか、海外のアート事情に詳しい人でないと欧米のグラフィティアート・シーンでのMBWの今の盛り上がりはピンとこないでしょう。しかし、BANKSY登場時以来、久しぶりの凄いことになっています。 BANKSY、Shepard Fairey本人からもリスペクトされているアーティストです。







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村上隆の企画で実現した、NYアートシーンの最前線報告 [BOOK]

アメリカ・ニューヨークのアートシーンを紹介する『美術手帖 2015年9月号増刊 ニューヨークアートシーン最前線』が、刊行された。

ニューヨーク在住のキュレーターであるアンドレア・ニュースティンが案内役になって、イアン・チェン、R・H・クエイトマン、ダレン・ベイダー、アニカ・イ、ポール・チャンというニューヨークのアートシーンを牽引する5人のアーティストのインタビューが収録されている。

一見すると、まったくわからない?? でも、面白い!!
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NYアートシーンは1990年代のシミュレーショニズム以降、人種、ジェンダー、個人など極めてメンタルな部分がテーマになっており、一見すると派手さ見られない。
それでもアートマーケットではとてつもないお金が動いている。
派手なのジェフ・クーンズを筆頭に金持ち趣味の作品が目立つが、同時にこの本で紹介されているような作品も常に存在してきた。

つねに同時代にココで紹介されているようなアーティストたちが居たということでは、最前線のアートを今も生み出しているNYはやはりアートマーケットの中心なんだろう。

これらの作品が普通に売り買いされる日もそう遠くないという予感を感じさせるという意味では、やはり期中な情報だと思う。
是非一読されたし。



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