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死ぬまで芸術やりますか? [BOOK]


久しぶりに美術手帖を買いました。
現在村上隆の作品がベルサイユ宮殿で展示されてるので大々的に特集が組まれています。
この展覧会はバロック建築の殿堂ベルサイユ宮殿美術館において現代美術を展示する画期的な企画で2008年から毎年1人のアーティストに限って展覧会をやってます。
その第一回目はあのジェフ・クーンズでした。
雑誌で紹介されてる写真を見る限り、すべての作品がこの宮殿にマッチしており、ものすごいインパクトです。
クーンズ展よりもなおインパクトがあり、大成功といえると思います。
これほど日本的なアニマチックな作品がこの場所に合うとは思えませんでしたが、凄い宇宙を作っています。
まさに歴史に残る展覧会だと思いますし、美術史に燦然と村上隆の名が残ることを決定づけたようなものです。
しかも企画が持ち上がったのは2年前、世界経済がクラッシュした中でよく今回の開催までこぎつけたものです。

特に「tongari-kun」などはホワイトキューブのギャラリーで見るよりも存在感があります。
2010_8_MurakamiVersailles.jpg

またこの特集では村上の工房の紹介や村上自身のアートの世界戦略、システムなども紹介しており、まさに「アートの総合商社」として世界に与える影響力などを再認識させられる特集になっております。

表紙は村上自身が浮浪者に扮して愛犬のポムを抱き上げて正面を見据えてる写真です。
その頭上には「死ぬまで芸術やりますか?」
毎年、億という単位の赤字を出してまで開催している「GEISAI」
決して楽でない時代からスタッフを雇って組織的に運営してきた事業が、まさに今身を結ぼうとしております。
いまはアニメの制作に取りかかろうとしているようです。
ただアニメに関してはおもしろいのが作れるのか若干の不安はありますが、まだまだ先が楽しみです。
将来は東証あたりに上場して世界初のアート工房になったりして・・・

たぶんリスクをとっても彼は死ぬまで芸術やると思います。
万が一事業が失敗してもすべてをなくしてもやりたいことをやる覚悟はできてると思います。
その決意が今回の表紙になったのではないかと思われますね。


美術手帖2010年11月号

美術手帖2010年11月号

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 美術出版社
  • 発売日: 2010/10/18
  • メディア: 雑誌



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共通テーマ:アート

高階 秀爾 「近代絵画史」 [BOOK]

中央新書版「近代絵画史(上)」という本が100円で売っていたので思わず購入しました。
著者は高階 秀爾(たかしな しゅうじ、1932年2月5日ー )。
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高階 秀爾氏いえば、昔はよく美術手帖でその評論を読んだので名前は当然知ってましたが、文化功労賞も受賞してるんですね。
東京大学美術史研究室教授として数多くの著作を著し啓蒙的役割を果した。ルネッサンス以後の西洋美術を専門としながら、日本近代美術にも造詣が深くその方面の著作もある。とWikipediaには説明があります。

まだ読んでる途中ですが、近代絵画史を改めて眺めていると非常におもしろいです。

あの近代絵画史に燦然と輝く革新的な絵を描いたマネは実は臆病で革命嫌いだったとか。
よく、ハンドルを握ると性格が変わる人っていますが、その類なのでしょうかね(笑)
でも芸術家って、マネみたいな人が多く普段控えめな人が芸術の為ならとても考えられない大胆な行動に走る人も結構いますからね。

また、サロンに反抗し始まった印象派ですら仲違いし結果的に、後期印象派、新印象派または象徴主義、エコールドパリとそれぞれの作家が独自の道を歩んでいくのですね。
80年代初頭にNYにしばらくいた時も、当時はニューペインティングもだいぶ落ち着いてきたときではありましたが、同時にイーストビレッジのギャラリーではコンセプチャルもあればネオジオもあり同時に色々な展示が見られました。
そう考えると印象派以前、バルビゾン派の画家たちが活躍するころまではフランスは本当にサロン(完展)が絶対的な権力を持っていたんですね。
まぁ、全ては時代ですね。

ということで、思いのほか楽しめるこの本は下巻も探してみます。
また高階氏の著書で最近気になるのが、講談社刊『日本の現代アートをみる』 というのがあります。
今更彼の「日本の現代美術」評なんてと思ってましたが、印象派の時代も今も社会に対するアーティストの役割は変わりませんし、個々の作品の評価でなく歴史の中での今の日本の現代アートを高階氏がどう見てるかに興味ありますの。
いつの時代もアーティストは社会に対して切り込み隊長の役割を果たし、そして変人扱いされ。可哀想な人種ですが分かっていてもそうせずにはいられない悲しい性(さが)ですね。

近代絵画史―ゴヤからモンドリアンまで (上) (中公新書 (385))

近代絵画史―ゴヤからモンドリアンまで (上) (中公新書 (385))

  • 作者: 高階 秀爾
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1975/02
  • メディア: 新書



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社長失格の幸福論 [BOOK]

ここ3週間くらい電車で会社に通ってます。
クルマと比べると時間読みができるのと、車中読書できるのがメリットです。
すばらしい本に出会えれば、それは至福の時間に変わりますからね。

きっかけは板倉雄一郎という人の本でした。
数年ぶりに読み返したい気分になり、『失敗から学べ!「社長失格」の復活学』という本を読み返したときから、この読書通勤は始まりました。
ストレス解消に仕事帰りの首都高走りを日課としていた私なのですが、たまに本を読むことに嵌まるときがあります。

で、彼のプロフィールをざっと紹介すると、『ベンチャーのゼロからゼロを経験したアントレプレナー 。1996年、栄えあるビジネス賞を総ナメにし、ビル・ゲイツと商談、日経の一面を飾り、フェラーリに乗り、白金の一軒家に住む、絵に描いたようなサクセスストーリーを歩いていたのですが、金融機関からの融資ひきあげなどもあって。
1997年12月、(株)ハイパーネットの倒産と自己破産。ゼロから登りつめ、またゼロに。まさしく日本のベンチャーのすべてでした。』ということです。
現在はベンチャーキャピタル経営、 企業コンサルティング、講演、執筆など活動中。個人事務所としてサイトも運営してるので興味のある方は覗いてください。
http://www.yuichiro-itakura.com/
ITAKURA’s EYEというエッセイはおもしろいですよ。
P2211846.jpg
そして全てなくした後に失意のどん底の一年間で感じたことをまとめて本にしております。
タイトルを『社長失格の幸福論』といいますが、なぜか私はしあわせな気分になりました。
ここで感想などはうまく書けませんので、今回は紹介だけです。

勿論始めて読むなら一作目の『社長失格』からがいいと思います。


社長失格の幸福論

社長失格の幸福論

  • 作者: 板倉 雄一郎
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2003/04/26
  • メディア: 単行本



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