ロバート ロンゴ [Artist]
黒いスーツを着た男がのけぞって空中をさまよっているシーン。
白と黒で等身大くらいに写真のように描かれたドローイング。
とても都会的な印象を与えながらも、都市に暮らす我々の不安や恐怖を感じる作品。
1980年初頭、突然現れたこの作家は、日本でも紹介されているので可成り有名です。
青山のスパイラルホールでは大規模な展覧会も催され、ファンになった人も多いかと思います。
モデルは当時の恋人や画商などの身近な人たちということです。ロンゴは彼らをビルの屋上に連れて行き、テニスボールや石などを投げつけて苦悶する様子を撮影したそうです。そして、この写真をスライドプロジェクターで投影して、木炭や黒鉛でドローイングしてます。絵にするときには、よりインパクトのある表現にするため、上半身と下半身では別の写真を用いたり、髪やネクタイを激しく振り乱したりしました。ネクタイは時に首吊りしているように見えることさえあります。
しかし、こんな一瞬の動きを用いて不安や恐怖を表現するなんて、目の付け所がいいですよね。誰でもかけそうな手法を用いて、インパクトのある表現をする。
これ以降、ロンゴは様々な大作を作って行くわけですが、87年メトロピクチャーギャラリーの個展は凄かった。
最近ではその作品を見る機会もなくなってしまいましたが、どこかで見られるのならすぐにとんで行くんですが・・・
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