マーク・ライデン

マーク・ライデン（1963年 米国メドフォード生）
初めてその作品を見たのは、小山登美夫ギャラリーでした。
一見ファンタジーっぽいイラストのようなその作品には、不思議な魅力があり記憶の片隅にずっと残っていました。

最近機会ある毎に、その作家の名前や絵を見ます。
ヒエロニムス・ボスやピーテル・ブリューゲルに影響を受けたというらしい彼の作品は、よく見ると描かれている可愛いモチーフとは裏腹に、何故か残忍で意地悪な気持ち悪い世界が見えてきます。

マイケル・ジャクソンのアルバム『DANGEROUS』のジャケットも彼が手掛けているようで、サンドロ・ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」、ヒエロニムス・ボスの「悦楽の園」などの一部が描かれており、ナポレオン一世やエリザベス一世の肖像を模した犬の王や鳥の女王が鎮座しています。
まったく、古典絵画から素材を取りあげ、現代の時代によみがえらせ、しかも一見、ファンタジックにポップな画面に仕上げるその能力には、商業的イラストのようでありながらもアートとしての「レイヤー」がしっかり宿っている、見応えある作品に仕上がってますね。

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