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リチャード・ハミルトン 展 [Exhibition]

昨日で終了してしまったのですが、9月の天気の良い日、千葉県佐倉市の川村美術館で開催されていた−英国ポップ・アートの巨匠 R.ハミルトンの版画−を見てきました。
http://kawamura-museum.dic.co.jp/exhibition/20120930_hamilton.html
リチャード・ハミルトンといえばイギリスポップ・アートの巨匠です。

一般的にはアンディー・ウォーホールに代表されるアメリカのポップ・アートが有名なのですが、ポップ・アートの始まりは1950年代のロンドンです。

イギリスで若者を夢中にさせていた広告やSFや漫画や大衆音楽などのアメリカ大衆文化を素材としたアートを提示する動きがあり、1956年ロンドンで『これが明日だ』展が開催されました。
ここで発表されたリチャード・ハミルトンの作品『一体なにが今日の家庭をこれほどまでに変化させ、魅力的にしているか』という長いタイトルの作品は、雑誌や広告の魅力的な商品やゴージャスなモデル写真を切り貼りしたコラージュで、ポップアートの先駆的作品といわれています。このときハミルトン34歳です。
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1960年代以降アメリカで盛んになったポップ・アートですが、今日に至るまで、商品や広告のイメージは洗練される一方、広告による大量消費の呼びかけは日常生活を完全に侵食してしまっている。純粋芸術と大衆文化の間の壁がますます失われるにつれ、大衆的なイメージや大量生産商品を用いた美術はすでに当たり前のようになっていいます(1980年代にニューヨークで発生したシミュレーショニズムなど)。
しかし、2008年第20回高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)を受賞し来日したときのインタビューで、ハミルトン自身「今日のサブ・カルチャーには全く関心がない」と答え、「いまの“ポップ・アート”との関係はない」と語っています。
「当時、私たちは社会の現状に対して、新たなアプローチを模索していました。第一、美術のヒエラルキーは従来のままで、それに対してどうしようもない不満を感じていました。そんななか、それまでの美術界のピラミッド状況を崩し、各分野を並列にして考えようとしたわけです。もしかしたら、ハリウッド映画やポピュラー・ミュージックに、ファイン・アートとされるものにも増して、知的で刺激的なものがあるのかもしれない。そうして、ポップ・カルチャー、サブ・カルチャーを研究、調査することになり、それをファイン・アートというものとポップ・カルチャーとを連携することで、現実に対する新たな芸術的アプローチの方法を追求していったわけです」つまり、ハミルトンにとっての“ポップ・アート”とは、大衆文化の世俗的な価値観や美意識をそのまま肯定して、受け入れるというのではない。あくまで、純粋なる芸術的価値観の下、大衆文化を通して現代社会の真相に迫ろうというわけです。

昨年9月13日、89歳で亡くなったハミルトンは、最後まで純粋芸術を追究した画家でした。



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